本研究は、日本において2019年に導入された年間360時間(週当たり約47時間に相当)の時間外労働上限規制が、労働時間、賃金、業務配分、技能投資、副業従事、および労働者のウェルビーイングの多面的指標に与える影響を検証するものである。2015年から2023年までのパネルデータを用いた分析の結果、同規制は長時間労働を大幅に削減した一方で、賃金や技能投資に悪影響を及ぼさなかったことが明らかとなった。さら ...
わが国における女性医師の数は増加傾向にあるものの、女性医師のキャリア形成上の問題や男女医師間の賃金格差は依然として残っている。一橋大学経済研究所の臼井恵美子教授は、2004年に導入された新臨床研修制度(スーパーローテート研修)に着目し、同制度の導入が女性医師の診療科選択に与えた影響を分析した。本セミナーでは、臼井教授がその分析の概要を解説。診療科選択に影響した要因の分析や、男女間の収入格差、労働時 ...
「企業は現預金を投資に回せ」という論調が優勢だ。だがその議論は、1つの問いを抜きに成立しない。「一体、わが社の最適現預金水準はいかほどか」。この定義なしに「余剰資金は投資しろ」と迫れば、経営は当惑する。 リーマン・ショック時、私は ...
ルールに基づく国際経済秩序が劣化しているのは事実だ。それでも市場開放を軸に据えた積極的な経済外交こそが繁栄と安全保障を両立させる道である。1930年代、国際経済秩序が崩壊した際に日本は他の主要国を上回る成長を実現した。マクロ経済運営に優れていた面もあるが、他国よりも開放的な市場を保ったことが成長を支えた。
2026年4月のハンガリー総選挙で、オルバン・ヴィクトル率いる政党フィデスは歴史的大敗を喫し、ペーテル・マジャル率いる政党ティサ(Tisza)への政権交代がなされる見通しとなった。本講演では筑波大学人文社会ビジネス科学学術院 国際公共政策専攻 教授の東野 ...
ロシアによるウクライナ侵略戦争は、二つの意味で産業能力の競争である。その第一は古典的な重工業力の戦いであり、砲弾、装甲戦闘車両その他の生産能力の優劣が鍵となる。第二に両国は先端技術の開発とこれに対する適応でも鎬を削りあってきた。本BBLでは、東京大学先端科学技術研究センターの小泉悠准教授をお招きし、これら二つの側面についてのご紹介と、両者の関係性についてご説明いただく。
Japan and South Korea have the highest gender wage gap among OECD countries, and a group of scholars in the US, Japan, and South Korea have been concerned with the commonalities and differences betwee ...
AIの定量的な経済効果は、世界中の研究者が取り組んでいる最先端のテーマだ。多くはAIが生産性を高めることを示しているが、米欧における試算値は年率0.1%未満から1%超まで極めて幅が広く、コンセンサスにはほど遠い。だが、この値はマクロ経済運営に大きく影響する。そこで就労者を対象に最近行った調査をもとに、日本の生産性上昇率への量的な効果を大胆に推察してみる。
CPの導入に際しては、炭素リーケージ(漏洩)への懸念が示されている。これは一部の国がCPを導入すると、規制が緩い国・地域へ産業が移転し、移転先のCO2排出が増えてしまうという指摘である。